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惰性の趣味を、ライフワークに変える〜『知的生活の設計』

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惰性で本を読んでいた

 本を読む自分をかっこいいと思っていた。

 背伸びして難しそうな本を次から次へと読んだ。ニーチェマルクス、ロラン=バルト…。意味がわからなくても、わかっているフリをした。したり顔で、半端な専門用語を使ってにわか知識を披露した。周りに「頭良い!」と言われるのが快感だった。自分を大きく見せようと必死だった。*1そしてまた次から次へと本に手を出した。

 しかし何も残らなかった。作者の経験や知見によりかかり、自分の手で何ひとつ掴もうとしなかった。俺にとって読書とは、まさに自分の代わりに他人に思考してもらうようなものである。

 

 虚しく、張りのない読書ライフを送っていた折、『知的生活の設計』に出会った。

 

趣味を、ライフワークに

 

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知的生活の設計 堀正岳 KADOKAWA



 

 日々の趣味を一過性の楽しみで終わらせるのではなく、将来にわたってあなた自身を支えるライフワークに成長させること。生活のなかで知識や経験を磨くことで、仕事においても応用できる発想力や洞察を蓄えること。そうして積み重ねた自分自身の個性を武器に、人生を長期的に切り開いてゆくこと。それが本書の目指す目標です。

 そのヒントになるのが、あなたの日常を『知的生活』と捉えるという視点です。

 知的生活とは、新しい情報との出会いと刺激が単なる消費にとどまらず、新しい知的生産につながっている場合(…)です。 

 

 衝撃だった。まさに求めていたことだった。今までの自分は、毎日ダラダラと生活し、なんとなく本を開き、わかった気になるが、なにも残さない。しかし、長期的に積み上げ、ライフワークにしていくという発想・方法があったんだ。

 本書『知的生活の設計』では、以下の手順で単なる消費を長期的なライフワークに変えていく。ざっくり。

 

  1. 毎日のインプットの時間・リソースを確保する。
  2. 自分の中にテーマを持つ。
  3. 日々の気づきや情報をメモするツールを用意して、積み上げていく。
  4. 情報を発信する。
 
 『知的生活の設計』は、詳しく・わかりやすく・希望がある書き方をしてくれているため、自分は自然と実行がすることが出来そうだ。以下に、自分がどのように知的生活を営んでいるか(営もうとしているか)書く。
 

自分はどのように知的生活を送っているか?

 

1.毎日のインプットの時間・リソースを確保する。
 仕事の定時は18時なので、毎日確実に空いている20〜22時の時間を知的生活にまわしている。毎日同じ時間帯に設定することで、習慣にできると思ったからだ。最近では、妻が資格の勉強をしているので、その時間に一緒に机に向かい、19〜21時に時間を確保している。

 また、情報収集のための本は、元から自宅に置いてある本、図書館で借りてきた本を使う。今まで「名著はとりあえず買う病」にかかっていたので、1年で読み切れないくらいの本がある。
 
2.自分の中にテーマを持つ。
 テーマとは日々自分が思っている疑問や、実現したいこと、気になったことだ。俺の場合は、
  • 嫁と最高に楽しい毎日を送る方法
  • 深く本を読むコツ
  • 心と体の整え方
  • 誰も気づかなかった視点を持つにはどうすればいいか?
  • 誠実に生きる方法
  • どうしたら賢くなれるか?
  • 面白い小説はなぜ面白いのか?
 などを日々考えている。それらに引っかかりそうな情報をメモしていく。
 
3.日々の気づきや情報をメモするツールを用意して、積み上げていく。
 『知的生活の設計』では様々なツールが紹介され、それぞれのツールの利点や運用方法が解説されている。本書でオススメされているのは、アプリでは「Evernote」や「Scrapbox」、アナログでは「モレスキンノート」や「情報カード」などだ。

 自分はノートにメモしていくことにした。紙の方が思いついたことを速く書けるし、あとからパラパラめくって見返すことができると思ったから。また、スマホには誘惑が多く、メモするついでに余計なアプリを開いてしまいそうだったから。
 
 ・・・というように思っていたが、スマホの利便性も捨てたもんじゃないと最近は思っている。ノートは肌身離さず持っているのが難しく、取り出すのが面倒なことが多い。だからiPhoneにデフォルトで入っているメモ帳も使っている。ネット上の情報ならコピペできるし、音声認識*2であっという間にメモすることもできる。
4.情報を発信する。
 『知的生活の設計』を読んでからすぐに、Twitterのアカウントと、このブログを開設した。今、初めての記事を書いてみて(発信してみて)良いことが2つあった。
 ひとつは、書くおかげでインプットの質も上がったこと。つまり、記事を書くことを想定して本を読むから本当に理解していないと書けない。だから普段よりも必死に読むことができた。自分が十分に理解していない点をいくつも発見することができた。

 ふたつ目は、自分の考えを整理できたこと。『知的生活の設計』の何が役に立ったのか、自分はどんなテーマを考えているのか、はっきりした。頭の中で考えているだけでは思考は曖昧で、書いてみることでやっと形になる。それを実感した。

 三つ目は、知識と文章力が蓄積していくこと。実際に書くことで、知識はさらに頭に入るし、文章を書くことにも慣れ、だんだん速く書けるようになってきた。少しづつでも、日々成長できるというのは、生きる糧になる。*3
 
 今では発信することが、人生の喜びになっている。 
 これからも、当ブログとTwitterを、頑張りすぎない程度に更新していこうと思う。良かったら読んでください。
 

*1:馬鹿である。

*2:あまり音声認識の性能を信じていなかったのだが、使って見て驚いた。かなりの精度で、音声を文字にしてくれる。

*3:本当に嬉しいんだ。